今回は、「なぜ離職してしまう人が多いのか」についてお話します。
離職の理由は人によってさまざまですが、企業側に問題があるケースには一定の傾向が見られます。
社員が会社を辞めてしまうおもな理由と傾向について解説します。
離職率を確認するだけでは、退職理由の実態を把握できません。
競合他社と比べて離職率が低ければ、その業界では平均を下回っているという判断になりますが、「なぜ退職をするのか」といった根本的な原因の究明につながらないからです。
離職率が高い会社は退職理由についてきちんと把握しておくことが重要です。
社員が会社を辞めるときの理由としては、次のようなものが考えられます。
・社内の人間関係がうまくいかなかった
・労働時間が長い、残業が多い
・仕事にやりがいを感じられない
・給与が低い
・休みが取りづらい
・社風が合わない
・経営方針が変わった
・人事評価に不満があった など
退職の背景には、労働環境や職場の人間関係に何らかの不満・ストレスを抱えているという共通点がみられます。裏を返せば、企業側が社員の抱えている不満やストレスを汲み取れていなかったり、汲み取れていても原因を取り除けなかったりすることが退職につながっている可能性があります。
社員に直接退職理由を聞くことは困難ですが、離職防止につなげていくために、日頃から社員が発している退職のサインを読み取ることが大切です。定期的に面談を行ったり社内アンケートを実施したりして、社員が抱える悩みを把握しましょう。
若手社員が早期退職をしてしまう原因には、雇用環境の変化だけでなく、労働に対する価値観の変化などもあげられます。
「1社に勤め続けるのではなく、さまざまな会社で働くことでキャリアを形成したい」というような、就職に対する考え方の変化です。
また、賃金が思うように上がらないまま解雇されるというリスクもあり、将来のライフプランを思うように描きにくいといったケースも考えられます。
たとえば、
「今の職場環境では将来の見通しが立たない」
「過剰な業務で心身ともに疲れた」
といった不安や悩みが恒常化してしまうことも離職につながります。
そうした傾向は、若手社員だけでなく30~50代のミドル世代にも一定程度見られます。
離職率の低下を全社的な取り組みとして進めていくことで働きやすい環境を整備し、定着率の向上につなげていきましょう。
離職率が高まりやすい会社の特徴としては、「人事評価制度に問題がある」「人材育成に力を入れていない」「業務量が多いため労働時間が長い」「社員のエンゲージメントが低下している」といった点があげられます。
①.人事評価制度に問題がある
離職率が高い会社は、人事評価制度に何らかの問題を抱えていることがあります。たとえば、「評価基準の曖昧さ」が不公平感や不満を生み出してしまうケースです。
評価基準が明確でなかったり、そもそもどのような基準であるかが公開されていなかったりすると、社員は正しく評価されているのか判断しづらくなってしまいます。
「いくら頑張っても評価されない」と社員が感じてしまう状態をそのままにすれば、モチベーションの低下につながってしまう恐れがあります。現場の声も聞きながら、公平な人事評価制度を構築してみましょう。
②. 人材育成に力を入れていない
新入社員に対する教育プログラムが整っていないと、仕事に対してストレスを感じやすくなり、離職率を高めることにつながります。人手不足などを理由に適切で充分な指導がなされていないと、不慣れな業務を誰に相談していいのか分からなくなってしまうものです。
また、現場主義を謳う雰囲気や、「自分で考えろ」といった指導方法では、社員のスキルアップが望めません。先輩社員や上司によって指導方法が異なる場合、組織としての生産性の低下も招いてしまいます。
社員の能力をきちんと把握したうえで教育体制を整えることが離職防止につながるのです。
③.業務量が多い・労働時間が長い
退職理由のなかには、「業務量が多い」「労働の拘束時間が長い」といったものがあります。人手不足によって、適切な労務管理が行われていない場合、特定の社員に過大な業務が集中しがちです。
特に、残業が多い会社では社員が心身共にストレスを感じてしまい、離職につながってしまうという懸念もあります。過剰に業務を割り振られてしまうことで仕事とプライベートのバランスを取りづらくなり、ストレスの原因になっていくのです。
労働時間や残業状況などの勤怠管理を適切に行うなど、社員のメンタルケアに意識を向けることが重要といえるでしょう。
④.社員のエンゲージメントが低下している
社員自身が「長くここで働きたい」と感じなければ、課題に対する対策を講じたとしても結局は離職につながってしまいます。社員一人ひとりが仕事に対するやりがいを感じ、長く働きたいと感じることが重要です。
会社のビジョンや経営方針が社員に浸透していなければ、自分が携わっている業務が社会にどのような貢献をもたらしているのか見えづらくなります。社員のエンゲージメントが低下することは離職につながりやすく、他の社員にも悪影響が出てしまいがちです。
会社の目標を上から押しつけるのではなく、面談の機会を定期的に設けることで、社員個人の目標と会社の目標をきちんと擦り合わせましょう。
社員の離職率が高い状態を放置していると、経営の不安定化を招くことになります。まずは、何が離職の原因となっているのかを探ることが大切です。
業界や競合他社と比較して離職率を割り出してみるのも一つの方法ですが、より具体的な施策を実行するために、個々の退職理由についてきちんと把握しましょう。
また、離職を防ぐためにコミュニケーションを重視して、社員が抱える不満や悩みをキャッチしましょう。
ご拝読いただき、ありがとうございました。