今回は、「転職・独立のメリット・デメリット」についてお話します。
転職は人生の中で大きな決断です。そのため、転職のメリットだけでなく、デメリットにも注目する必要があります。デメリットを理解したうえで転職活動をすれば、納得できる転職ができるはずです。
1.退職金や企業年金への影響
一般的に、退職金の額は勤続年数で決まります。定年前に転職すれば、当然退職金は少なくなります。自己都合退職は会社都合退職より金額が下がります。また、入社後数年で退職すれば、退職金がゼロのケースもあります。
また、退職金ばかりでなく、企業年金の額も勤続年数によって決まります。特に、年齢を重ねてから転職すると、もらえる年金額が少なくなる傾向にあるため、注意しましょう。
2.転職前より給与が下がる場合もある
特に未経験の職種に転職する場合、前職より給与が下がることがあります。給与が下がっても、その職種で働きたいのかどうか、転職前に十分考えることが大切です。
3.新しい環境、人間関係への不安
転職者は、すでに出来上がっている人間関係の中に飛び込んでいくことになります。転職者は多くの場合、新卒のような同期入社がいません。また、新卒のように1から丁寧に指導を受けられるわけでもありません。そのため孤独を感じやすいといえます。
自分から積極的にコミュニケーションを取って周囲と打ち解けたり、仕事で結果を出して認められたりといった努力が必要です。
4.謙虚な気持ちでのスタートが必要
転職によって、環境・評価制度・業務内容がガラリと変われば、前職のような評価が得られず苦労することや、昇進が思うようにいかない可能性もあります。
即戦力採用の場合も、前職の評価を忘れて、謙虚な気持ちで新しくスタートしましょう。
デメリットがあるとはいえ、転職にはそれを上回るメリットがたくさんあります。ここでは、転職のメリットをご紹介します。
1.年収アップが期待できる
給与水準の高い会社に移り、同じような仕事内容でも年収が増えるという場合もあります。
2.キャリアアップが望める
転職先の環境にもよりますが、転職すれば新しい専門知識やスキルが身に付きます。新しい専門知識・スキルが身に付けば、前職以上の成果を出せるようになるかもしれません。
3.前職の人間関係をリセットできる
転職には、前職の人間関係のトラブル・不満・不安をいったんリセットして、リスタートできるという大きなメリットがあります。また、まったく新しい環境、人間関係の中に飛び込むことは不安もありますが、新しい人間関係の中で、気持ちを切り替えて仕事に臨めるというメリットもあります。
4.残業や休日出勤などの改善ができる
残業が多い企業から、比較的残業が少ない企業への転職希望者は多いです。業務過多による残業は個人の努力では解決が難しいため、職場環境を変えることで改善できるかもしれません。
転職にはメリットとデメリットがあります。特に、新型コロナウィルス感染症の影響で、働き方が大きく変化しているなか、転職後に後悔しないためには、ご自身がおかれた状況や今後歩みたいキャリアにおいて、何がメリットで何がデメリットかの両方をしっかり把握することが大切です。
転職で失敗する原因の多くは、準備不足と調査不足です。転職活動は計画的に進めてこそ、成果が出ます。そして、転職活動をスムーズに進めるためには、現職の会社での行動や気配りも重要なことを忘れないでください。
また、自分だけで転職活動を行うのは、多大な時間と労力を要します。プロのエージェントにサポートしてもらえる転職エージェントサービスの利用も検討してみてください。
独立開業のメリットは、働く自由度が高いことです。好きな仕事を好きなペースで進められ、自分の判断で業務内容や方法を決められる柔軟なワークスタイルが魅力です。
その他にもメリットはさまざまあり、主なものは以下が挙げられます。
①自由に働ける
②仕事にやりがいを感じられる
③高収入を目指せる
④スキルが向上しやすい
⑤ 定年がなく働き続けられる
①自由に働ける
般的な会社員は決まった時間に出勤や退勤をしますが、独立開業すれば働く時間は自由。会社のルールに縛られることなく都合のよいときに働けます。組織に属していないため、同僚や上司との人間関係に悩むことも少なくなるでしょう。
また、パソコン1台でできる仕事であれば、コワーキングスペースや近所のカフェなど、好きな場所で仕事に取り組めます。
②仕事にやりがいを感じられる
会社員の場合、1から10まで自分の思い通りにできる仕事はなかなかありません。割り振られた仕事内容によっては、窮屈に感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、独立開業をすれば自分の好きなように仕事を進められます。好きな業種を選んで働けるだけでなく、自分で生み出したアイデアを形にできるため、仕事に対するやりがいも増えるかもしれません。
③高収入を目指せる
独立開業すると、月々の収入は自分の頑張りや工夫によって変化します。事業が上手くいけば、高収入を得ることもできるでしょう。
もちろん、会社員でも高収入は目指せますが、もらえる給料には上限があるケースが多く、どこかで限界が来る場合がほとんどです。
その点、独立開業する場合は収入に上限がないため、より高収入を目指せると言えます。
④スキルが向上しやすい
独立開業をする場合、会社員とは違って指示を出す上司がいないため、仕事について自分で考える機会が増えます。
同僚や上司がいない環境では、自分で行わなければならない仕事も増えますが、それだけ仕事に関するスキルも向上しやすいでしょう。
また、自分で考え行動することで得られる多くの成功・失敗体験を通じて、人としても成長できる機会も増えるでしょう。
⑤ 定年がなく働き続けられる
サラリーマンは定年を迎えると、収入が減少するリスクがあります。再雇用や嘱託になった場合でも、以前の給与水準を下回ることがほとんどです。
一方で、自営業には定年がありません。定年後も事業を続けられるため、確実な収入源を維持できます。これは独立開業の大きなメリットと言えるでしょう。実際、定年退職を機に開業を目指す人も少なくありません。
自営業なら、好きな仕事に没頭し、自らのペースで働くことができます。さらに、生きがいを持ち続けられるため、心身の健康維持にも好影響があると期待されています。
独立開業はメリットが多い反面、下記のようなデメリットもあります。
①経済的な負担や不安がある
②失敗やミスをしたときに責任を背負う範囲が広い
③ 健康管理を徹底する必要がある
事前にメリットだけでなくデメリットも把握することで、リスクを回避しやすくなるでしょう。ここからは、それぞれのデメリットについて紹介します。
①経済的な負担や不安がある
どんな事業でも開業当初は顧客を確保するのが難しく、収入が安定するまでに時間がかかります。開業後しばらくは収入はほとんどなし、場合によっては赤字も覚悟しておかなければなりません。
十分な貯蓄があっても、開業資金に大半を費やしてしまうことも想定されます。独立開業する際は、融資や補助金・助成金をしっかり活用し、経済的負担を少しでも減らす工夫をしましょう。また、会社に勤めながら徐々に個人事業を大きくしていく方法もあります。
②失敗やミスをしたときに責任を背負う範囲が広い
会社に所属しており、損害賠償などが発生するような重大なケースにおいては、会社が責任を負ってくれるのが一般的です。
一方、独立開業する場合には、事業を行ううえで発生したトラブルの責任は全て自分が負わなければなりません。ミスやトラブルを防ぐためにも、スケジュールや品質管理を徹底する必要があります。
③ 健康管理を徹底する必要がある
会社員として勤務している場合、身体に不調があった際には仕事を休むことができます。休んだ分の仕事は、同僚や上司が自分の代わりにカバーしてくれて、仕事に大きな影響が出ないケースも多いでしょう。
しかし、独立開業をすると自分の代わりがいないため、体に不調をきたしても自分で何とかするしかありません。作業の進み具合に影響を出さないためにも、今まで以上に健康に気を遣う必要があります。
独立開業を検討している方は、開業に失敗しないためにも下記の3点に気を付けましょう。
①好きな仕事を選ぶようにする(ニーズがあることが前提)
②事前に必要な知識やスキルを身に付けておく
③開業後に収入がなくても過ごせるように資金を確保しておく
気を付けるべきポイントを把握したうえで備えておけば、事業が成功する可能性がより高まるかもしれません。
独立することは良いことですが、逆に独立に向いていない人もいます。
独立に向いていない人は以下の3つの特徴があります。
1.独立することが目的となっている人
先述の通り、独立を成功させるには、独立後の明確な目的や目標が大切です。
独立すること自体が目的になってしまっていると、最初の段階で満足してしまい、挫折しやすくなってしまいます。
そのため、もう一度独立したい理由をよく考え、独立すること自体が目的となっていないかチェックしましょう。
2.面倒くさがりな人
「独立=自由」というイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、現実はそうではありません。
営業や人脈作り、税務関係などのありとあらゆることを自分で行う必要があり、また常に勉強してスキルアップする必要があるため、面倒くさがりな人は独立に向いていません。
3.ケチすぎる人
お金にシビアであるのはいいことですが、自分のビジネスやスキルに対して投資を拒んでしまっては成長の機会を逃してしまいます。
そのため、いざというときに思い切って投資できる人のほうが独立に向いています。
独立する場合はしっかりとした計画・目標をたててから行動するようにしましょう。
ご拝読いただき、ありがとうございました。